フォーラム・ポーランド Forum “POLSKA”
Konferencja
2005: “Powrót do
2005年度シンポジウム「ヨーロッパへの回帰」報告要旨・資料
「《ヨーロッパ回帰》の夢と現実」
兵藤長雄(東京経済大学現代法学部教授、元ポーランド駐在日本国大使)
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以下の報告要旨は暫定版です。日本に帰国する9月下旬に最終的な報告要旨を掲載します。
ポーランドのNATO早期加盟を促進した一つは、「平和のパートナーシップ・プログラム」に対する涙ぐましい努力と執念であった。ポーランドはまた、「新しいヨーロッパ」の優等生として、イラク戦争への積極的協力した。その背景には、米国との特別の絆と、西欧大国に裏切られ続けた歴史があった。
2004年のNATOの更なる拡大とEUの一挙25カ国への拡大は画期的である。しかし、ニース条約の具体的運用、憲法条約の挫折など、EUは今大きな試練を迎えている。同様にポーランドにとっても、具体的問題について、加盟国としての責任を果たすことを厳しく求められ試練を迎える。
また、ヨーロッパ回帰を実現したポーランドにとって、東方問題、特にロシア問題は、安全保障を含め依然重要である(プーチン政権の不透明性、べラルースの不安定性、カリーニングラード問題など) 。本報告では、こうした問題を包括的に考察する。