フォーラム・ポーランド Forum “POLSKA”

Konferencja 2005: “Powrót do Europy

2005年度シンポジウム「ヨーロッパへの回帰」報告要旨・資料


 

《ヨーロッパ回帰》のなかの政党システム

 

小森田秋夫(東京大学社会科学研究所教授)

 9月25日、議会選挙が行なわれる。続いて10月9日には、大統領選挙が行なわれる。この日に決着がつかなければ、23日に決選投票となる。議会選挙と大統領選挙とが同じ年に行なわれるのは、史上初めてである。

 これらの選挙は、欧州連合の加盟国となってから、その意味で「欧州回帰」を果たしてから初めての選挙でもある。欧州憲法条約の批准投票もこの秋に行なわれる可能性があったが、フランスとオランダの国民投票における否決という事態を受けて、それは消え去った。

 選挙に先立ち、8月末には「連帯」結成25周年が祝われた。しかし、この25年、とりわけ、1989年の「円卓会議」と、それが切り拓いた「第3共和国」の評価をめぐって、ポーランド国内の意見は複雑な分岐を示している。有力な大統領候補を擁し、政府与党の座を狙って競い合う政党は、1997年に制定されたばかりの憲法に代わるべき新憲法の草案を発表し、あるいはその改正を主張している。

 報告では、9〜10月の選挙の結果を紹介しつつ、激しく変動する今日のポーランドにおける政党状況について考えてみることにしたい。

 

 

<プログラムに戻る>


a