フォーラム・ポーランド Forum
“POLSKA” 2008年度会議 「ポーランドのカトリック」 Konferencja
2008: Katolicyzm polski |
グダンスク マリア教会
お知らせ 1.
会場は収容人数の制限とセキュリティの問題があるため、事前に参加登録をお願いしています。 2.
参加登録は葉書およびメールで受け付けます。 3.
参加登録の期間は、9月25日から10月20日で、定員になり次第受付けを終了します。 4.
参加費は、指定の口座にお振り込みください。 賛助会員は参加費が無料です。 5.
詳しい参加登録の方法は、受付期間にこのホームページをご覧下さい。 |
日 時: 2008年10月25日(土) 10:00-17:20
場 所: 駐日ポーランド共和国大使館多目的ホール(予定収容人数120名)
主 催: フォーラム・ポーランド組織委員会
後 援: 駐日ポーランド共和国大使館(大使館住所・地図)
会 費: 2000円(学生1000円)
懇親会: 18:00-20:00 会費(5000円・予定) ビヤステーション恵比寿
9:30 |
受付開始 |
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10:00-10:20 |
歓迎の挨拶 ヤドヴィガ・ロドヴィチ駐日ポーランド共和国大使 |
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10:20-10:30 |
開会の辞 田口雅弘(たぐち まさひろ) |
10:30-11:10 |
講演1 ―― 家本博一(いえもと ひろいち)「ポーランドにおけるローマ・カトリック教会と教皇ヨハネ・パウロ2世」 |
11:20-12:00 |
講演2 ―― 山田朋子(やまだ ともこ)「分割期ポーランドのカトリック教会と聖職者」 |
12:10-13:20 |
昼食 記念撮影 |
13:20-14:00 |
講演3 ―― 塚原琢哉 (つかはら たくや)「聖地と巡礼」 |
14:10-14:50 |
講演4 ―― 黄木千寿子 (おうき ちづこ) 「ポーランド現代音楽とカトリシズム」 |
15:00-15:20 |
小休憩 |
15:20-16:00 |
講演5 ―― 加藤久子(かとう ひさこ)「社会主義期ポーランドのカトリック教会」 |
16:10-16:50 |
講演6 ―― 平岩理恵(ひらいわ りえ)「コレンダをめぐって」 |
17:30-17:40 |
まとめ、連絡事項、閉会(世話人) |
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18:00-20:00 |
ロドヴィチ新大使歓迎懇親会 |
*会場では、塚原琢哉氏の写真展を同時に行います。
IV KONFERENCJA FORUM
„POLSKA” (2008)
Temat Roku: „Katolicyzm
polski”
25 października 2008 r.
Ambasada Rzeczypospolitej
Polskiej w Tokio, Sala wielofunkcyjna
Program:
10:00-10:20 Powitanie: Ambasador
Rzeczypospolitej Polskiej, dr Jadwiga Rodowicz
10:20-10:30 Otwarcie
konferencji: Pan Masahiro TAGUCHI (profesor ekonomii Uniwersytetu w Okayama)
10:30-11:10 „Kościół
rzymsko-katolicki w Polsce i Jan Paweł II” Pan Hiroichi IEMOTO (profesor
ekonomii Uniwersytetu Nagoya Gakuin)
11:20-12:00 „Kościół
katolicki i duchowni w Polsce rozbiorowej” Pani Tomoko YAMADA (dr historii)
<12:10-13:20 Lunch>
13:20-14:00 „Miejsca
święte i pielgrzymowanie” Pan Takuya TSUKAHARA (artysta, fotograf)
14:10-14:50 „Polska muzyka
współczesna a katolicyzm” Pani Chizuko Oki (dr muzykologii)
<15:00-15:20 Przerwa na
kawę>
15:20-16:00 „Kościół
katolicki i życie religijne w osiedlach robotniczych w Polsce Ludowej” Pani Hisako
KATO (historyk, PhD candidate Uniwersytet Hitotsubashi)
16:10-16:50 „Czym jest kolęda?” Pani Rie HIRAIWA (muzykolog,
Komitet Organizacyjny FORUM POLSKA)
17:00-17:20 Komunikaty,
zakończenie konferencji.
* Impreza towarzysząca:
wystawa fotografii p. Takuya Tsukahary.
* Przyjęcie
pokonferencyjne: 18:00-
2008年度会議講演概要
「ポーランドにおけるローマ・カトリック教会と教皇ヨハネ・パウロ2世」
家本 博一
本講演では、ポーランドにおけるローマ・カトリック教会の歴史的な役割と特性をまとめた上で、ポーランドにおける国家システムと政治・経済・社会制度の変革の方向性とその現実に関して、カトリック社会教説及び社会倫理という立場から正統性の根拠を与え続けてきたと言われる教皇ヨハネ・パウロ2世の教えと行動について、ポーランドの教会にとっての意義を明らかにしたい。その際、教会が18世紀末以来のポーランド民族の「社会」をどのように主導してきたのかという点に注目した上で、第1次大戦期〜第2次大戦期を通じて、制度教会としての現実が歴史的な特性をさらに強化する結果となったにも拘らず、(皮肉にも)国家社会主義期の到来によって、かえって近代世界における制度教会としての現実を追体験しているかのような「擬制」を誇示することが可能となった点を指摘し、教皇ヨハネ・パウロ2世の前半期(国家社会主義期)と後半期(体制移行期、「欧州への回帰」の期間)における教えと行動の変化を説明し、それがポーランドの教会にとってどのような意義を有していたかを考えたい。
「分割期ポーランドのカトリック教会と聖職者」
山田 朋子
国土分割とナポレオンの影響によって、ウィーン会議後のポーランド地域におけるカトリック教会とその聖職者の状況は大きく変貌する。その変化は、ロシア、プロイセン、オーストリアの分割地域それぞれで異なるものの、中央政府が教会を統制しようとする点で共通している。とりわけロシア領では、教会に対する政府の圧力は、ポーランド人の民族蜂起に対する弾圧とともに強まった。教会の所領は没収され、多数の修道院が閉鎖された。カトリック信者を庇護すべき教皇は当時、ロシア政府と協約を結んでいたことから、ポーランド人の民族蜂起を支持するどころか、これを非難し、聖職者に対して蜂起に参加しないよう呼びかけていた。そのため聖職者の中には教皇の命令に従う者もいたが、民衆とともに蜂起に参加する聖職者も数多く見られた。講演では、蜂起や民族運動に聖職者がどのように関わっていたかを、分割国政府の教会政策とあわせて概観する。
「聖地と巡礼」
塚原 琢哉
私がポーランドの教会にある聖母子イコンに興味を持ったのは、ヤスナ・グラ修道院の「黒いマドンナ」と呼ばれる聖毋子イコンの存在を知った事から始まる。初めて見る黒いマドンナの頬に残る三本の深い傷と深い悲しみに沈む表情から、ポーランドの人々から慕われ、尊敬される大きな力が潜んでいるのだと感じた。実は其の時まで社会主義政権下でありながら、ポーランドの多くの芸術家が、永らくつづく社会主義の権力支配に抵抗しているかのような独特の作品を作り続けていたことに私は心の底から敬意を持っていたのだ(アンジェイ•ワイダ、ハショル、グレツキらの執念を燃やした、ポーランドの苦悩の作品がポーランドの優れた芸術家を代表している)。
戦火と侵略から逃げまどう市民が一心に祈っていたのはヤスナ・グラの黒いマドンナだった。1989年8月15日、ヤスナ・グラ修道院で「黒いマドンナ」の盛大なミサが行われた。その年は全ポーランドが苦境のどん底にあえいでいる時だった。巡礼達は遠くグダニスク、ワルシャワ、クラクフ、あるいはチェコスロバキアから徒歩で行進しヤスナ・グラを目指した。50万人のピルグリム達はどん底の苦しみをポーランドの女王と崇めるマドンナに祈ったのである。その時から私のマドンナを探し歩く巡礼が始まった。
「ポーランド現代音楽とカトリシズム」
黄木 千寿子
雪解けと同時に始まったポーランド前衛音楽は、爆発的、劇的表現を特徴としたソノリスティカという音響作法を開花させた。やがて70年代、伝統的な技法との併置、混合によりソノリスティカは変容するが、ここに宗教的作品が顕著となる。長い間人々のアイデンティティの支えであったカトリシズムは、ここではイデオロギーの対極に位置し、自由への熱望と神の救済がテーマとなる。変容したソノリスティカは、詞の使用により象徴性を獲得し、まさに時代の鏡としてそれらを表象するものとして機能する。
「社会主義期ポーランドのカトリック教会――新興工業都市における教会をめぐる諸活動」
加藤久子
社会主義政権下ポーランドにおけるカトリック教会の活動については、いわゆる「民主化運動」の一例として取り上げられ、党と教会の関係は対立と融和という2つの要素から説明されることが多い。しかし、教会の諸活動がそのような「運動」として先鋭化するのはごく限られた例であり、多くの場合は、対立とも融和とも断定できない曖昧さを孕んだ関係を維持していたと言える。
本講演では、社会主義のユートピアという触れ込みで戦後に建設された新興工業団地を例にとり、そのような都市に流入して来た若者らの信仰生活や、団地内に小教区教会を建設しようとした彼らの活動、そして司牧を通じて教会が地域コミュニティの形成に関わって行く過程などを紹介したい。
最も激しい対立が見られたとされる環境下での、教会のごく日常的な諸活動を取り上げながら、そのような日常的宗教実践を1989年の体制転換と関連付けるならば、どのような説明が可能であるか、考察したいと思う。
「コレンダをめぐって」
平岩理恵
クリスマスの時期に行われる伝統行事は、同じカトリック圏であっても国によって様々に異なる風習が残っている。キリスト教受容以前の民間信仰の名残りであったり、カトリックの教えが浸透していく過程でそれぞれの国が抱える事情、あるいは文化的背景が影響を与えた側面があるのではないかと考えられる。ポーランドには、クリスマスの頃に主に子供たち(kolędnicy)を中心に行われる、日本の「門付け」に似た風習kolędowanie、また彼らが歌うクリスマスキャロルを指す「コレンダkolęda」という言葉があるが、まずそれらが指し示すものは一体何なのかを明らかにする。さらに、コレンダ独自の音楽的、文化的特徴とは何かを探る。
<事務局> 〒700-8530 岡山市津島中3-1-1 岡山大学大学院社会文化科学研究科 田口雅弘研究室内 フォーラム・ポーランド
TEL 086-251-7568 FAX
086-251-7571 E-mail:taguchi@cc.okayama-u.ac.jp