フォーラム・ポーランド Forum “POLSKA”

2011年度会議 「《ポーランドとその隣人たち》 シリーズ第一回

Konferencja 2011: Polska i jej sąsiedzi (Cz.I)


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リトアニア ヴィルニュス

 

フォーラム・ポーランド2011年会議プログラム(pdf

1.          

 

 

 

 日 時: 20111210()  10:00-17:00

 場 所: 駐日ポーランド共和国大使館多目的ホール(予定収容人数120名)

 主 催: フォーラム・ポーランド組織委員会

 後 援: 駐日ポーランド共和国大使館(大使館住所・地図

 会 費: 2000(学生1000円)

 懇親会 18:30-20:30 銀座ライオン アトレ恵比寿店 会費・飲み放題4,000円コース Tel.03-5791-7871

 

《ポーランドとその隣人たち》シリーズ第一回

 ポーランドやポーランド人と一言で言っても、その内容、これらの言葉が指し示すものは時代や地域によりさまざまに異なっていましたし、現在でも異なりはあります。そうした異なりを生む一つの要因が、ポーランドやポーランド人ではないと相互的にあるいは一方的に認知される領域や人々の存在や活動であり、そうしたものとの接触であり衝突であり、交流です。

 2006年度のフォーラム・ポーランド会議では「ポルスコシチ――ポーランド的なるものをめぐって」と題して、どちらかと言えばポーランド人の自己規定を問題としましたが、今回の新しいシリーズ「ポーランドとその隣人たち」では、むしろ外部との重なりや他者の視点を重視した形で、ポーランドのかたち・ありかたについて、《ポーランドと非ポーランド》の境界について、色々な分野の専門家からお話を聞きながら、ともに考えてゆきたいと思います。

 2011年の第1回は、国境(線)、信仰、言語、移住、政治外交、文学などの事象に焦点をあてながら、地域に関する現在の分類で言えばリトアニア、ベラルーシ、ウクライナ、チェコ、スロヴァキア、ドイツ、ロシアなどとのかかわりについて考えます。

 

 

 

 

総合司会: 平岩理恵(NPOフォーラム・ポーランド組織委員会事務局長)

 

 

 

9:30

 

受付開始

 

 

10:00-10:10

歓迎の挨拶 ヤドヴィガ・ロドヴィチ駐日ポーランド共和国大使 

 

10:10-10:20

開会の辞 関口時正(せきぐち ときまさ)氏 東京外国語大学大学院教授、フォーラム・ポーランド前代表

 

 

10:20-11:10

吉岡潤(よしおか じゅん)氏 津田塾大学准教授「20世紀ポーランドの国境線と隣人たち」

 

11:20-12:00

井上暁子(いのうえ さとこ)氏 北大スラブ研究センター非常勤研究員「ドイツ/ポーランドの狭間で――20世紀越境文学の知られざる風景」 

 

 

12:10-13:20

記念撮影    昼食

 

 

13:20-14:10

森田耕司(もりた こおじ)氏 神戸市外国語大学准教授「チェスワフ・ミウォシュの作品におけるポーランド語の地域的特徴――小説『イッサの谷間』を題材に」

 

14:20-15:10

福嶋千穂(ふくしま ちほ)氏 京都大学非常勤講師「正教の《西方》、カトリックの《東方》――合同教会をめぐる諸問題」

 

 

15:10-15:40

ティータイム 

 

15:40-16:30

篠原琢(しのはら たく)氏 東京外国語大学大学院教授「ポーランド王国のポーランドとボヘミア王国のチェコ」 

 

 

 

16:30-16:50

おわりに 田口雅弘(たぐち まさひろ)氏 岡山大学大学院教授、フォーラム・ポーランド代表

 

 

18:30-20:30

懇親会

 

 


VII KONFERENCJA FORUM „POLSKA” (2011)

Temat Roku: Polska i jej sąsiedzi – Część I

 

10 grudnia 2011 r. (sob.)

Ambasada Rzeczypospolitej Polskiej w Tokio, Sala wielofunkcyjna

 

Program:

10:00-10:10

Powitanie: Pani dr Jadwiga Rodowicz, Ambasador RP w Tokio

 

 

10:10-10:20

 

Otwarcie konferencji: Pan prof. Tokimasa SEKIGUCHI, (Tokyo University of Foreign Studies)

 

 

10:20-11:10

Pan prof. Jun YOSHIOKATsuda College
Granice Polski i jej sąsiedzi w XX wieku

 

11:20-12:10

Pani Satorko INOUE (Hokkaido University, Slavic Research Center)

Pomiędzy Niemcami a Polską – nieznane pejzaże w literaturze transterytorialnej

 

 

12:10-13:20

Przerwa obiadowa

 

 

13:20-14:10

Pan prof. Kōji MORITA (Kobe City University of Foreign Studies)
Specyfika regionalna języka polskiego w utworach Czesława Miłosza – na podstawie powieści „Dolina Issy”

 

14:20-15:10

Pani dr Chiho FUKUSHIMA  (Kyoto University)

Prawosławny „Zachód”, katolicki „Wschód” – o problemach dotyczących Kościoła unickiego

 

 

15:10-15:40

Przerwa na kawę

 

 

15:40-16:30

Pan prof. Taku SHINOHARA (Tokyo University of Foreign Studies)

Polskość i česství: z punktu widzenia koncepcji państwowości

 

16:30- 16:50

 

Zakończenie konferencji: Pan prof. Masahiro TAGUCHI  (Okayama University)

 

 

 


 

講演者紹介と講演要旨

 

講演1 吉岡潤(よしおか じゅん)氏 津田塾大学准教授

 20世紀ポーランドの国境線と隣人たち」

 

吉岡写真

 1993年京都大学文学部卒業、199610月〜19993月ポーランド科学アカデミー歴史研究所(ワルシャワ)に留学、2002年より津田塾大学国際関係学科専任講師を経て、現在同准教授。共著に『ポーランドを知るための60章』(渡辺克義編、明石書店、2001年)、『ポーランド学を学ぶ人のために』(渡辺克義編、世界思想社、2007年)、共訳書にA.ガルリツキ『ポーランドの高校歴史教科書(現代史)』(渡辺克義・田口雅弘との共監訳、明石書店、2005年)、U.ケラー・I.ラクーザ『ヨーロッパは書く』(鳥影社、2008年)など。

 

国家の消滅と復活、度重なる国境線の移動、それに伴う住民構成の激変――ポーランドほど「国のかたち」を転変させてきた国はありません。そのポーランドでは、国境線の引かれ方により、隣人たちとの関係やポーランドをめぐる自己イメージ・他者認識のあり方が大きく左右されました。本報告では、20世紀ポーランドの国境の変遷をたどり、国境を挟み、また国境を跨ぐ隣人たちとの相互関係の中で≪ポーランドと非ポーランド≫の境界がどのように生じ、どのように変化したのか、考えてみたいと思います。 

 

 

講演2 井上暁子(いのうえ さとこ)氏 北大スラブ研究センター非常勤研究員

 「ドイツ/ポーランドの狭間で――20世紀越境文学の知られざる風景」

 

井上写真

 北海道大学文学部修士課程卒業。2010年東京大学大学院総合文化研究科(地域文化専攻)博士課程単位修得・退学。修士・博士課程在学中、ワルシャワ大学とフンボルト大学(ベルリン)へ留学。現在、北海道大学スラブ研究センター非常勤研究員。ワルシャワ大学  200002(ポーランド政府奨学金), 200607(ワルシャワ大学と東京大学の交換留学制度)

フンボルト大学  200406(ドイツ学術交流会DAAD奨学金)

 

 ポーランドは長い亡命の伝統を持つ国だが、ドイツ移住の痕跡はポーランド文学のどこを探してもほとんど見当たらない。本講演は、社会主義体制末期のポーランドから西ドイツへ移住し、冷戦が終結した後も、あえてドイツに留まり創作を続けるポーランド語作家に焦点を当て、彼らの文学を通して「ドイツ/ポーランドの狭間で生きる」ということについて考察する。

 

 

講演3 森田耕司(もりた こおじ) 氏 神戸市外国語大学准教授 

「チェスワフ・ミウォシュの作品におけるポーランド語の地域的特徴――小説『イッサの谷間』を題材に」

 

森田写真

在学中、ワルシャワ大学(1995~1996)、ポーランド科学アカデミー・スラヴ学研究所(1999~2001)などに留学。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学後、日本学術振興会特別研究員、ヤギェロン大学准教授、ポーランド科学アカデミー・スラヴ学研究所准教授を経て、2010年より現職。博士(スラヴ言語学)(ポーランド科学アカデミー)。専門は言語学、スラヴ語学。

 

チェスワフ・ミウォシュCzesław Miłoszの小説『イッサの谷間Dolina Issy』(パリ、1955年)は、著者自身のリトアニアでの幼年期を描いた自伝的小説として知られており、この小説の登場人物が話すポーランド語には、リトアニア語やベラルーシ語などの近隣諸言語の影響によるものと考えられるさまざまな特徴が見られる。今回はこの小説を題材に、当時のリトアニアにおける言語状況を概観した後、音声・形態・統語的特徴に焦点を絞り、ミウォシュが生まれ育った土地で話されていたポーランド語の地域性について解説する。

 

 

講演4  福嶋千穂(ふくしま ちほ) 氏 京都大学非常勤講師 

「正教の《西方》、カトリックの《東方》――合同教会をめぐる諸問題」

 

fukushima photo

 京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了(歴史文化学専攻)。博士(文学)。近世ポーランド・リトアニア国家の正教地域(ルテニア)を専門とする。ワルシャワ大学歴史学部(2002-04年)、ウクライナ科学アカデミー附属ウクライナ研究所(リヴィウ)(2005-2007年)に留学。

 

 かつてキエフ・ルシが栄えた黒海北岸一帯は、近世にはポーランド=リトアニア国家の版図に含まれ、東西キリスト教の重複する地域となっていた。16世紀末にこの地の正教会がカトリック教会に帰一し、合同教会(ギリシア・カトリック教会)が生まれた。本講演では、合同教会の成立とその後の経緯を辿ることで、現在大部分がベラルーシ、ウクライナに属すこの地域(ルテニア)とポーランドとの関わりの一端を考える。

 

 

講演5 篠原琢(しのはら たく)氏 東京外国語大学大学院教授

「ポーランド王国のポーランドとボヘミア王国のチェコ」

 

篠原写真

東京大学大学院人文科学研究科西洋史学専攻修了。1990−93年、チェコ共和国カレル大学哲学部留学。東京学芸大学を経て、現職。

 

現在のチェコ(チェコスロヴァキア)とポーランドとは、ともに1918年に建国した国家に直接の起源を持っている。また18世紀から19世紀にかけて国民(nation / naród)として自分たちを意識するテキスト、文化的・社会的・政治的装置を活発に創造した点でも共通している。これが、多くの人々が、独立した国家を「自分たちの国」、つまりチェコ(チェコスロヴァキア)人の国、ポーランド人の国、として受け入れる前提となった。しかし、一見、共通して見える歴史の背後には、国家観念の大きな違いがあることに注意しなければならない。ポーランドの場合、分割、国家の消滅という事態にもかかわらず、あるいはそのゆえに国家概念は強固に連続していたのに対して、チェコの場合、チェコ国家を神聖ローマ帝国から引きはがして創造するために、あらゆる政治的・道徳的正統性が問われなければならなかった。チェコの歴史から見たとき、ポーランドという隣人が どのように見えるか、その見え方がどれほど「歪んで」いるか、対話のなかで明らかにしたい。 

 

 


<事務局> 700-8530 岡山市津島中3-1-1 岡山大学大学院社会文化科学研究科 田口雅弘研究室内 フォーラム・ポーランド 

TEL 086-251-7568  FAX  086-251-7571 E-mailtaguchi@cc.okayama-u.ac.jp


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