第9回フォーラム・ポーランド会議（2013年度）

IX KONFERENCJA FORUM POLSKA (2013)

変貌する世界地図とポーランド――その今日・明日

Polska dziś i jutro

- w poszukiwaniu swojego miejsca na zmieniającej się mapie świata

日時： 201３年12月7日(土) 10:00-15:00 7 grudnia 2013 r. (sob.) 10:00-15:00

会場：　ポーランド大使館 多目的ホール Ambasada Rzeczypospolitej Polskiej w Tokio, Sala wielofunkcyjna

主催： 特定非営利活動法人フォーラム・ポーランド組織委員会

共催： 駐日ポーランド共和国大使館、ポーランド広報文化センター

会費（事前振込み）： 2,000円（学生　1,000円）

参加申込み

	総合司会：平岩 理恵 (フォーラム・ポーランド事務局長) Moderator: Rie HIRAIWA (Sekretarz Generalny FORUM POLSKA)
10:00-10:10	開会の辞　田口　雅弘　（岡山大学教授） Otwarcie konferencji:　Pan Masahiro TAGUCHI (Profesor, Okayama University)
講演：
10:10-11:20	ツィリル・コザチェフスキ大使（Ambasador Rzeczypospolitej Polskiej w Japonii）　―　駐日ポーランド共和国大使「外交から見たポーランドの世界及びEUにおける位置の変化」（Zmiana pozycji Polski na świecie i UE z punktu widzenia dyplomacji）*日本語通訳付き Pan Cyryl KOZACZEWSKI (Ambasador Rzeczypospolitej Polskiej w Japonii) Zmiana pozycji Polski na świecie i UE z punktu widzenia dyplomacji.
11:20-12:00	蓮見　雄（はすみ・ゆう）　―　立正大学教授「エネルギー問題から見たロシア・欧州関係とポーランドの選択」 Pan Yu HASUMI (Profesor, Rissho University) Stosunki Rosji z UE a Polska alternatywa z punkt widzenia zagadnień energetycznych
12:00-13:00	記念撮影＆昼食 Przerwa obiadowa
13:00-13:40	大石恭弘（おおいし・やすひろ）　―　元三井物産ワルシャワ支店長・2012年度在ポーランド日本商工会会長「ポーランドの事業環境の魅力と課題」 Pan Yasuhiho OISHI（b. dyrektor gen. Mitsui & Co Deutschland GmbH Sp. z o.o. Oddział w Polsce, b. przewodniczący organizacji Shokokai w 2012 r.） Atrakcyjności i zadania otoczenia biznesu w Polsce
13:40-14:50	パネル・ディスカッション―　ツィリル・コザチェフスキ＋蓮見雄＋大石恭弘　 （モデレーター：田口雅弘） *日本語通訳付き Dyskusja panelowa　　　 Moderator: Pan Masahiro TAGUCHI (Profesor, Okayama University) Paneliści: Pan Ambasador Cyryl KOZACZEWSKI, Pan Prof. Yu HASUMI, Pan Yasuhiho OISHI
14:50-15:00	おわりに　関口時正（東京外国語大学名誉教授） Zakończenie konferencji: Pan Tokimasa SEKIGUCHI, (Zasłużony Profesor, Tokyo University of Foreign Studies, Przewodniczący Forum Polska)

　講演者紹介と講演要旨

講演１　ツィリル・コザチェフスキ（Cyryl　Kozaczewski／駐日ポーランド共和国大使）

　「外交から見たポーランドの世界及びEUにおける位置の変化」

　1995年ポーランド共和国外務省入省。人事政策局にて中欧諸国問題、外交儀礼、領事業務、欧州国際機関政策に従事。この間、一年間にわたり在ソウル・ポーランド共和国大使館に勤務。1997年、安全保障政策局専門官。1999年、ジュネーブ安全保障政策センター（GCSP）にて研究課程修了。2001〜2005年、NATO常駐ポーランド代表部に一等書記官として勤務し、軍備管理、拡散防止、核政策に従事。帰国後、外務省安全保障政策局拡散防止課長、続いて欧州安全保障協力機構（OSCE ）課長を務める。2008年、EU局副局長。2010年、共通外交・安全保障政策局長およびEU外交政策担当責任者。2012年7月に駐日ポーランド共和国大使に就任。

約１５年にわたり、ポーランドの外交、安全保障に携わってきた立場から、ポーランドの体制転換、EU加盟を経たポーランドが、EUおよび世界における立ち位置をどのように変化させてきたかを振り返る。その上で、EUおよび世界におけるポーランドの位置と役割を展望する。

講演２　蓮見　雄（はすみ・ゆう／立正大学教授）

　「エネルギー問題から見たロシア・欧州関係とポーランドの選択」

　東京外国語大学卒、同大学院修士課程修了後、（一社）ロシアNIS貿易会ロシアNIS経済研究所研究員として勤務しながら明治大学大学院経営学研究科博士後期課程で学び、その後、立正大学に勤務。講演に関連する近著として、「シェール革命でガスプロムの落日、日本のエネルギー獲得はチャンス」『週間エコノミスト』（2013年4月2日）、「東ヨーロッパのエネルギー需給とEU・ロシアの非対称的相互依存」『歴史と地理−地理の研究』186号（2012年）。

ロシアとウクライナのガス紛争の際、日本ではロシアがエネルギーを「武器」として利用したという言説が広がった。しかし、EUがガス紛争から得た教訓は全く異なる。EUは、パイプラインの相互接続の不備やエネルギー市場統合の不十分さ、つまり「商品」としてエネルギーを確保するための自らの備えが足りなかったと反省し、独露を直結するノルドストリーム･パイプライン建設を急ぎロシアの資源を確保しつつ、EUレベルのエネルギー政策を強化した。その結果、EUは買い手としての立場を強め、今や欧州各社はガスプロムから過去の契約分にさかのぼって値下げを勝ち取っている。この変化の背景には、ヨーロッパにおけるエネルギーのパラダイムシフトがある。国境を越えるエネルギーインフラが整備され、大規模集中型システムから再生可能エネルギーの利用を可能とする双方向型の分散ネットワークシステムへの転換が進みつつある。EUにおいても、エネルギーミックスの選択は依然として国家の手にあるが、ポーランドは、このパラダイムシフトにどう対応するのだろうか？

写真：NHKクローズアップ現代(2013年1月7日)より

講演３　大石恭弘（おおいし　やすひろ／元三井物産ワルシャワ支店長・元在ポーランド日本商工会会長）

　「ポーランドの事業環境の魅力と課題」

1981年　三井物産入社。2010年4月〜2013年9月　三井物産ワルシャワ支店。

ポーランドは生産基地と消費市場という両面を持ち合わせている中東欧の雄である。日系進出企業数は300社近くとなり、その内、製造業は100社近くを占め、約4万人の雇用を創出している。日系企業による投資、ビジネスがポーランドの経済発展に貢献し、同時に、日系企業もポーランドを拠点としてその事業を拡大してきたように、日本企業とポーランド経済は、手を携えて、シナジー効果を発揮しながら発展してきたと云える。今回は、2012年度に在ポーランド日本商工会が、在ポーランド日本国大使館及びジェトロと協働して行ったポーランドの事業環境の評価及び経済特区に関するアンケート調査結果をご披露させて戴くと共に、それを基に開催したポーランド情報・外国投資庁（PAIiIZ）との共催セミナーの内容とも併せて、「ポーランドの事業環境の魅力と課題」について、考えます。

モデレーター　　田口　雅弘（たぐち　まさひろ／岡山大学教授）

1984年、ワルシャワ中央計画統計大学（現在のワルシャワ経済大学）修士卒業。その後、京都大学大学院、岡山大学教養部助教授などを経て、2007年より岡山大学大学院社会文化科学研究科教授。著書に『ポーランド体制転換論　システム崩壊と生成の政治経済学』（御茶の水書房、2005）、『拡大するEUとバルト経済圏の胎動』（昭和堂、2009、共著）、『現代ポーランド経済発展論　成長と危機の政治経済学』（岡山大学経済学部、2013）など。

パネル・ディスカッションでは、体制転換、EU加盟後のポーランドがどのように変貌したかを振り返り、21世紀中葉を見据えながら、パネラーとともにポーランドが今後世界においてどのような位置を占めどのような役割を果たしていくかを議論する。

この会議は特定非営利活動法人フォーラム・ポーランド組織委員会個人賛助会員の温かいご支援を受けています。