参考資料
フォーラム・ポーランド 2005年度会議
――「ヨーロッパへの回帰」をめぐって――
報告: 田口雅弘 (岡山大学経済学部)
日時: 2005年10月29日(土) 9:30-17:00
場所: 駐日ポーランド共和国大使館多目的ホール
*報告の要旨は、プレゼンテーションの画面を参照して下さい。
1.体制転換以降の経済格差拡大
l
ポーランドが、1980年代の国家破綻ともいえる経済状態からわずか20年あまりで欧州連合(EU)加盟を果たしたことは、ポーランド現代史のなかでも特記できる輝かしい成果といえるだろう。1989年以降のショック療法を伴った体制移行は、国民に大きな負担を背負わせたものの、ポーランド経済を安定成長軌道に乗せ、ヨーロッパへの早期回帰を実現させた。1995年頃から本格的外資参入が始まり、大量の資金が国内に流れ込んだ。また国営企業の民営化が進み、それに伴い、富裕層、豊かな中間層が形成された。
l
しかし一方で、EU加盟を急いだ結果、経済・社会に多くの歪みが生じ、困難な課題が山積みされたまま残されることとなった。積み残された課題とは、急速な産業構造転換による歪み、高失業率、国内の深刻な地域格差、機能しない新しい国家諸制度、財政赤字、政治的混乱、などである。長期的にはEU東方拡大がポーランドを含む中東欧諸国の安定的成長にとって大きなステップとなることは間違いないが、中・短期的には、積み残された課題の処理を誤れば、構造的歪みを将来に残すだけでなく、再び経済・社会が不安定化することも十分にあり得るといえる。
l
失業率は、20%近くに達し、農村部(とくに国営農場が多くあった地域)、旧ソ連向けの生産に特化した工場を中心として栄えていた地方中小都市での失業率が30%以上に達した。こうした構造的失業は、ハードコア失業と呼ばれ、解消が困難である。
l
体制転換に伴うスクラップ・アンド・ビルドにより、失業と並んで生活格差も大きな社会問題になった。この格差は国営部門より民間部門で大きく、また相対的に民間の給与水準の方が低い。体制転換の恩恵を受けた者と切り捨てられた者の格差が広がり「新富裕層(ニューリッチ)」と「新貧困層(ニュープアー)」という社会層が誕生した。
l
ポーランドは、EUの中で最も成長が早い地域のひとつである。一方、EU25ヵ国中、最も所得の低い10地域のうち、6地域はポーランド国内の地域である。
l
国民は、失業の解消、生活格差是正を政府に求めており、こうした課題は国会選挙や大統領選挙の中心的争点となった。一方でユーロ導入に向けた財政赤字圧縮等の課題もあり、政府による弱者救済の抜本的な対策は取られていない。
l 2005年9月25日(日)に行われた国会総選挙(上・下院)の争点は、失業対策、治安の維持、政治家のモラル(議員特権の制限を含む)改善、汚職対策、生活格差改善、医療保険制度充実、教育充実、経済政策、国家機構改革、近隣諸国政策、等。
l 「連帯」結成25周年世論調査(Rzeczpospolita紙 2005.08.16)
「連帯」によってあなたとあなたの家族の生活はどのように変わりましたか?:
悪くなった−31%、変わらない−45%、良くなった−24%
「連帯」の最も大きな成功は?:
言論の自由−52%、EU加盟−47%、NATO加盟−40%、独立−37%、外国旅行の自由−35%、市場経済化−14%、安定した通貨−11%、わからない−10%
「連帯」の最も大きな失敗は?:
失業−85%、汚職−58%、貧困−52%、政治家の不誠実−33%、社会的不平等−19%、劣悪な医療サービス−18%、犯罪による危険の増加−8%、わからない−4%
表1 ポーランドにおける所得のジニ係数(1985−1997年)
年 |
1985 |
1986 |
1987 |
1988 |
1989 |
1990 |
1991 |
1992 |
1993 |
1994 |
1995 |
1996 |
1997 |
ジニ係数 |
0.270 |
0.274 |
0.270 |
0.272 |
0.278 |
0.271 |
0.266 |
0.264 |
0.285 |
0.298 |
0.294 |
0.301 |
0.319 |
出所: Keane; Prasad [2000].
表2 各国のポスト体制転換期における所得のジニ係数
国名 |
ジニ係数 |
国名 |
ジニ係数 |
国名 |
ジニ係数 |
ポーランド |
0.301 |
ルーマニア |
0.280 |
リトアニア |
0.324 |
スロヴェニア |
0.223 |
エストニア |
0.354 |
ロシア |
0.380 |
チェコ |
0.254 |
ベラルーシ |
0.288 |
ラトヴィア |
0.320 |
ハンガリー |
0.308 |
ブルガリア |
0.317 |
ウクライナ |
0.473 |
注: ポスト体制転換期とは、ここでは仮に1995−1997年とする。
出所: Keane; Prasad [2000].
表3 ポーランドの貧困層
2003年2月 単位: %
社会・経済グループ |
最低生活水準以下で生活する世帯 |
雇用労働者 |
21 |
農民 |
56 |
農業労働者 |
36 |
年金・障害年金生活者 うち: 年金生活者 障害年金生活者 |
20 11 39 |
自営業者 |
18 |
給与外収入による生活者 |
61 |
合計 |
25 |
注: ここでは「貧困層」を平均粗所得563zł以下と規定する。ちなみに、2003年の平均粗所得は2185.02złであっ
た(GUS [1990-2004a],
2004, p.262)
出所: Głąbicka [2000], p.29.
2.失業率と失業者数
図1 失業率
出所:
GUS [1990-2004b]をもとに作成。
図2 失業者の概念図(単位: 万人)
出所: 報告者作成。
失業の実態(失業者はどのようにして生まれたのか)
l
完全雇用下の社会主義時代に企業に滞留していた潜在的余剰労働力(「隠れた失業」)の顕在化。1980年代においておおむね工業労働者の25%程度といわれている(Kwiatkowski [1992],
p.47)。1989年の工業部門雇用者総数は約402万人(GUS [1991], p.XXIX)であるから、工業労働者の100万人以上は潜在的余剰労働力という計算になる。しかし、民営化が徐々に進行したため、これらの潜在的余剰労働力が一気に顕在化したわけではない。
l
体制転換初期において、GDPの落ち込みは雇用のそれよりも大きい。1991年のGDPは対前年比7%減少しているが、雇用の落ち込みは5.9%にとどまっている。このことは、潜在的余剰労働力が体制転換初期においてはむしろ拡大していることを示している。試算では、1991年に過剰労働力が最大の水準に達し、雇用全体における潜在的余剰労働力は約140万人、うち工業で約100万人とみられる(Kabaj [1996], p.16)。1991年の工業部門雇用者総数は約345万人(GUS [1990-2004a], 1993, p.111)であるから、潜在的余剰労働力は工業部門雇用者総数の29.0%という計算になる。ただし1992年以降は、雇用総数が依然減少するものの、GDPが回復軌道に乗り、労働生産性上昇傾向が見られる。
図3 GDPと雇用総数の推移
(1990 = 100)
注: 雇用総数は年平均。
出所: GUS [1990-2004a], 1996, p.LXXI, p.125、をもとに算出。
l
労働力供給能力増大が失業増大のひとつの要因になっている。就業者総数が1990年の1648.5万人から、1991年には1577.2万人、1992年には1533.7万人と減少しているのに対し、生産年齢人口は1990年の2196.2万人から、1991年には2205.5万人、1992年には2233.3万人と、年10〜15万人ペースで増加している。企業の清算と人員整理を中心としたリストラが進み、経済回復にもかかわらず新規雇用が減少すれば、高校・大学新規卒業者を中心とした労働市場参入予備軍は必然的に膨れ上がる。
表4 ポーランドの失業者数 1990-1991年 (千人)
年月 |
失業者総数 |
学校卒業直後の失業者 |
1990 1 |
55.8 |
− |
2 |
152.2 |
− |
3 |
266.6 |
− |
4 |
351.1 |
− |
5 |
443.2 |
− |
6 |
568.2 |
− |
7 |
699.3 |
− |
8 |
820.3 |
124.2 |
9 |
926.4 |
157.4 |
10 |
1008.4 |
164.9 |
11 |
1089.1 |
164.8 |
12 |
1126.1 |
164.3 |
1991 1 |
1195.7 |
158.4 |
2 |
1258.9 |
156.1 |
3 |
1322.1 |
153.4 |
4 |
1370.1 |
145.2 |
5 |
1434.5 |
134.5 |
6 |
1574.1 |
144.2 |
7 |
1749.9 |
203.8 |
8 |
1854.0 |
223.4 |
9 |
1970.9 |
235.5 |
10 |
2040.4 |
228.8 |
11 |
2108.3 |
224.7 |
12 |
2155.6 |
222.4 |
出所: Kwiatkowski [1992], p.61.
3.失業者数
(1) 求職の意思がない者
表5 最近の1ヶ月間求職活動をおこなわなかったと答えた登録失業者(1992−1996年)
(%)
|
合計 |
男性 |
女性 |
都市 |
農村 |
合計 |
27.8 |
24.3 |
30.5 |
27.7 |
27.9 |
初めて失業者として登録 |
27.6 |
23.5 |
30.5 |
28.6 |
26.1 |
複数回にわたり失業者として登録 |
28.3 |
25.9 |
30.5 |
25.5 |
31.7 |
出所: Kostrubiec; Kowalska [1997], p.35.
(2) グレーゾーンで経済活動をおこなう者
l
グレーゾーンの中で大きな部分を占めるのは国境貿易および国境貿易に関連した経済活動である(詳しくは: 田口 [1998])。国境貿易は公式な輸出として統計に計上される額の30%以上と推定され、その額は数十億ドルに達する[1]。中央統計局の推定では,1993年のドイツへの非公式な輸出額は,公式な輸出総額の20〜40%に上るとされている。
l
中央統計局(GUS)の1995年の調査では、グレーゾーンでの経済活動を唯一の労働としている者は96万人いるとされる(Kałaska; Witkowski [1997],
p.13)。別の文献によると、1995年にグレーゾーンでの経済活動をおこなった者は203.4万人、うちグレーゾーンでの経済活動を主たる労働としている者は88.0万人(就業者総数の約5%)とされる(Kabaj [1997], p.64)。また、日刊紙が中央統計局発表として伝えるところによると、1996年にグレーゾーンで労働した者は240万人、うちグレーゾーンでの経済活動を唯一の労働としている者は18万人、時々労働した者が22万人、残りは年間数日から十数日労働したとされる(Gazeta Wyborcza [1997.2.24])。さらに労働省の調べでは、不法(未届け)就労者は2万人近くいるとされる(同紙)。
l
グレーゾーンで労働する者は様々である。年金生活者、学生、主婦、登録失業者、農村の過剰人口、外国人不法就労者、副業として働く雇用労働者、などがグレーゾーンで従業した者に含まれる(GUS [1996b], p.48)。このうち、登録失業者のうち実際に従業していた者が18%いたとすると、登録失業者を250万人と仮定してグレーゾーンで労働した者の数は約45万人と推定できる。
(3) 潜在的失業者と隠れた失業
l
潜在的失業とは、就労の能力と意思がありながら、就職の可能性に悲観的で求職活動を断念している者をいう。また、隠れた失業とは、社会主義経済システムの遺産として残っている企業の過剰労働力と農村に存在する過剰労働力を指すものとする。
l
中央統計局の調査では、潜在的失業者はピーク時の1995-1996年で28−29万人で、これは登録失業者の約11%、BAELにもとづく失業者の約13%に相当する。また、隠れた失業は、前節でもふれたとおり、1991年のピーク時ですべての被雇用者のうち140万人と推定される。
l
加えて、農業における過剰人口は72−90万人と推定される。中央統計局では1994年に客観的基準(1年に3ヶ月以上農作業に従事したか、また3ヶ月以上農作業に従事した場合は1日3時間以上労働したか)と主観的基準(農業に従事する者がどのくらい人手を必要と思うか)をもとに調査をおこなった。その結果、客観的基準では1ヘクタール以上の個人農場で約90万人が基準を満たしておらず、そのうち労働年齢にある者は約50万人であった。また、主観的基準では、個人農を営む者が不必要とした人数は総計32万5千人で、さらに40万8千人についても常時必要とはしないと回答している。したがって、農業における過剰労働力は50万人から73万人程度と推定される(Kałaska;
Witkowski [1997], pp.50-51)。
(4) 労働市場からの退出者
l
労働市場からの退出者は、いずれの失業統計でも失業者とは見なされないが、退出者の退出動機は主に、働きたい希望は持ちながら、経済情勢から見て就職するのが困難と自ら判断し、早期年金退職制度などを使って年金生活に入ったり、家庭に戻ったりした者であると推測できる。こうしたグループの規模推測するのは困難であるが、経済情勢の悪化に伴って増加した労働市場の退出者の一部を、年金生活者の増加傾向から推定することはある程度可能である。
l
表6は年金受給者数および労働年齢を超えた非労働力人口を示したものである。この表から、労働年齢を超えた非労働力人口の緩やかな増加(2)に比較して、1990年代前半に年金受給者(1)が急激に増えていることがわかる。1985−1989年の間に年金受給者が66万1千人増えたのに対し、1989−1994年の間には210万7千人増加と実に3倍のスピードで増加している。また、1989−1994年の間に労働年齢を超えた非労働力人口が41万9千人増加したのに対し年金受給者は210万7千人増加と5倍の勢いで増加している。年金受給者と労働年齢を超えた非労働力人口の格差(3)も、1989年の1.44から1994年の1.72と大きく開いている。これは、転換不況と経済構造の変化の中、早期退職制度を利用して年金生活に移行した者がいかに多かったかを示している。そこで、1989年の年金受給者と労働年齢を超えた非労働力人口の格差1.44が平時の状態だと仮定し、これを労働年齢を超えた非労働力人口にかけた人口を潜在的年金受給者数(4)とすると(1)と(4)の格差を不況やリストラで労働市場を退出し早期年金生活に移行した人口と仮定することができる。その規模は、(5)に示されたように、1994年には150万人近くに達している(Raport [1995], p.101)。
表6 年金受給者および労働年齢を超えた非労働力人口(1985−1994年)
|
年金受給者 (千人) |
労働年齢を超えた非労働力人口 (千人) |
1:2 |
1989年を基準とした潜在的年金受給者数 (千人) |
1−4 |
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
||
1985 |
6234 |
4486 |
1.40 |
× |
× |
|
1989 |
6895 |
4799 |
1.44 |
6859 |
× |
|
1990 |
7390 |
4903 |
1.50 |
7060 |
+330 |
|
1991 |
8369 |
4979 |
1.68 |
7170 |
+1199 |
|
1992 |
8621 |
5062 |
1.70 |
7289 |
+1332 |
|
1993 |
8819 |
5140 |
1.70 |
7402 |
+1417 |
|
1994 |
9002 |
5218 |
1.72 |
7514 |
+1486 |
|
増加 |
||||||
1985−1989 |
661 |
293 |
2.26 |
× |
× |
|
1989−1994 |
2107 |
419 |
5.02 |
× |
× |
|
出所: Raport
[1995], p.101.
以上のことから、「ポーランドの失業問題は統計数字に示されているほど深刻ではない」という主張を証明するように、失業登録をしながら求職の意思のない者が70万人以上おり、また登録失業者のうち45万人程度がグレーゾーンで労働していて、合わせて100万人以上がILOの基準に照らした失業者とはいえない。一方で、「統計数字が示すより実体はさらに厳しい」という議論を裏付けるように、30万人近くの潜在的失業者と30−50万人の農村における過剰人口の存在が明らかになり、また不況やリストラで労働市場を退出し早期年金生活に移行した人口も150万人近くにのぼることも明らかになった(図2参照)。
4.失業の基本構造
(1)高い失業率
(2)大きい地域格差
表7 失業率の最も低い地域と最も高い地域(1993年末および1994年)
失業率 = %
|
1993 |
1994 |
ポーランド − 合計 |
15.7 |
16.0 |
A. 失業率の最も低い県 |
|
|
1. ワルシャワ |
7.2 |
7.5 |
2. クラクフ |
7.7 |
8.5 |
3. ポズナン |
8.2 |
8.8 |
4. カトヴィツェ |
9.7 |
10.1 |
5. ビェルスコ・ビャワ |
11.1 |
11.5 |
平均 |
8.8 |
9.3 |
B. 失業率の最も高い県 |
|
|
1. スウプスク |
28.7 |
30.5 |
2. スヴァウキ |
28.6 |
29.1 |
3. コシャリン |
27.8 |
28.0 |
4. オルシュティン |
26.8 |
28.2 |
5. ヴァウブジフ |
24.5 |
27.1 |
平均 |
27.3 |
28.6 |
出所: Kabaj [1996], p.12.
表8 失業率の低い地域と高い地域(2004年第2四半期)
(失業率=%)
|
|
ポーランド 全体 |
19.1 |
A. 失業率の最も低い地域 |
|
1. マゾフシェ県都市部 |
16.0 |
2. ヴィエルコポルスカ県都市部 |
16.7 |
B. 失業率の最も高い地域 |
|
1. ドルニィシロンスク県農村部 |
33.6 |
2. 西ポモージェ県農村部 |
30.9 |
3. ルブシュ県農村部 |
25.2 |
4. ヴァルミア・マズーリ県農村部 |
25.0 |
出所: GUS [2004b], p.27.
(3)若年層の高い失業率
失業率の一番高かった1994年において、失業者全体に占める24歳以下の失業者の比率は34.6%、34歳以下の比率は62.0%であった。
表9 年齢別失業者数
(千人)
|
Total |
24歳以下 |
25 – 34 |
35-44 |
45-54 |
55歳以上 |
1992 |
2509.3 |
867.7 |
746.1 |
620.3 |
231.6 |
43.6 |
1993 |
2889.6 |
995.0 |
824.7 |
729.1 |
284.2 |
56.6 |
1994 |
2838.0 |
981.5 |
777.7 |
718.3 |
302.4 |
58.1 |
1995 |
2628.8 |
909.0 |
708.1 |
660.5 |
298.0 |
53.2 |
1996 |
2359.5 |
734.5 |
645.3 |
608.6 |
313.5 |
57.6 |
出所: GUS. [1997a], p.13.
表10 年齢別失業者数
(%)
|
Total |
24歳以下 |
25 – 34 |
35-44 |
45歳以上 |
1992 |
100.0 |
34.6 |
29.7 |
24.7 |
11.0 |
2004* |
100.0 |
42.4 |
20.1 |
15.2 |
14.0 |
注: *−第1四半期。
出所: GUS. [1997a],
p.13.
(4)非熟練労働者の高い失業率
非熟練労働者の失業率が際だって高いことも、ポーランドの失業構造の特徴である(表7-7参照)。1994年において、失業者全体の71.4%が小卒(8年制)および職業基礎学校卒であった。これには、伝統的な労働集約的産業の整理・衰退、大企業における過剰労働力の整理、地方中小都市、農村経済の低迷が関係している。
表11 教育レベル別失業者
(千人)
|
合計 |
大学 |
職業高校 |
普通高校 |
職業中学 |
小学校およびそれ以前のレベル |
1992 |
2509.3 |
56.6 |
527.9 |
177.9 |
964.6 |
782.4 |
1993 |
2889.6 |
52.1 |
581.5 |
193.2 |
1131.2 |
931.5 |
1994 |
2838.0 |
47.6 |
570.2 |
194.4 |
1118.3 |
907.5 |
1995 |
2628.8 |
38.9 |
531.6 |
188.2 |
1025.0 |
845.0 |
1996 |
2359.5 |
31.4 |
471.0 |
151.7 |
907.7 |
797.6 |
出所: GUS [1997a], p.13.
表12 教育レベル別失業者
(%)
|
合計 |
大学 |
職業高校 |
普通高校 |
職業中学 |
小学校およびそれ以前のレベル |
1992 |
100.0 |
2.3 |
21.0 |
7.1 |
38.4 |
31.2 |
2004* |
100.0 |
7.2 |
17.0 |
20.9 |
22.9 |
28.3 |
注: *−第2四半期。
出所: GUS. [1997a],
p.13.
(5)高学歴者の高い失業率
図4 高等教育機関における学生数(1990/91−2003/04年)
(千人)
出所: GUS [1990-2004a].
l
体制転換に伴う自由化で、大学の数は1990/91年の112から2003/04年の400に急増している(GUS [1990-2004a])。これに伴い、学生数は1990/91年の40万3800人から2003/04年の185万600人に増加した(図4)。
l
大卒者がより良い雇用条件(とりわけ大学教育に投下した資金に見合うより高い給与)を求めてなかなか就職しないことが、失業率が高い原因になっている。2004年第2四半期において、新規大卒の失業者は14万1000人で、新規大卒者に占める失業者(未就職者)の割合は37.4%に上っている(GUS [2004b],
p.XXX)。
(6)失業の長期化
1994年において、失業者全体の44.2%が12ヶ月以上の長期失業者であった。これは、転換不況が長期化したこと、失業問題の深刻な前述の地方中小都市の経済再生のめどが立たないこと、非熟練労働者の再雇用の可能性が低いことなどと関連している。
表13 失業の長期化
(千人)
|
合計 |
1ヶ月まで |
1 – 3ヶ月 |
3 - 6ヶ月 |
6 - 12ヶ月 |
12 - 24ヶ月 |
24ヶ月以上 |
1992 |
2509.3 |
118.1 |
312.9 |
393.2 |
551.0 |
1134.1 |
|
1993 |
2889.6 |
138.3 |
368.8 |
454.1 |
633.8 |
1294.7 |
|
1994 |
2838.0 |
159.6 |
354.4 |
428.3 |
640.4 |
687.7 |
567.5 |
1995 |
2628.8 |
170.7 |
382.7 |
451.2 |
642.0 |
493.8 |
465.6 |
1996 |
2359.5 |
189.1 |
333.0 |
365.0 |
503.7 |
520.1 |
448.6 |
出所: GUS [1997a], p.14.
5.給与格差
(1)地域別格差
表14 経理部長・会計士の月給
|
経理部長(会社雇用)の月給(zł) |
会計士(個人経営会計事務所)の月給(zł) |
ワルシャワ |
12,500 |
6,500 |
ポズナン |
11,000 |
6,000 |
ヴロツワフ |
10,000 |
6,000 |
グダンスク |
9,500 |
4,000 |
クラクフ |
9,500 |
4,000 |
カトヴィツェ |
8,500 |
3,500 |
シュチェチン |
8,000 |
3,000 |
ウッチ |
7,500 |
3,250 |
ゴジュフ・Wp |
6,000 |
3,000 |
ルブリン |
5,750 |
3,250 |
出所: Gazeta Wyborcza(ガゼタ・ヴィボルチャ)2002年9月23日号
(2)業種別格差
表15 ポーランド人の給与月額(2004年)
ポーランドの日刊紙『ガゼタ・ヴィボルチャ』(Gazeta Wyborcza)紙は、定期的にポーランド人の職業別給与調査を発表している。2004年秋のポーランド人の給与は次のとおり(1ズウォティ=約33円)。平均月収ではなく特定の人物がいったいひと月にいくら稼いでいるか具体的にリストアップしたものである。なお給与額に*がついている場合は「手取りの金額」を意味する。
給与(月額 zł) |
職業 |
*200 (6600円) |
ポズナニ。駐車場の見張り番。四日に一日、4時間勤務。さらに、スクラップの回収により平均約600ズウォティの追加収入あり。40歳、小卒(旧制の8年制小学校、以下同様)。 |
約500/日 |
24時間営業の高級エスコート会社の売春婦。条件:若く、常に美しく保つ努力を怠らないこと、高級な香水を使い、外国語が話せること。一日の客は、最高2人まで。時間制で交代で働く。 |
*550 |
ヤロスワフ。コムペンサ社の保険の電話による販売。勤続年数1年、週20時間労働。23歳、大学の夜間コースで勉強中。英語とドイツ語ができる。 |
800 |
ヴロツワフの地方紙の記者(女)。他新聞への寄稿と翻訳業務により、約600ズウォティの追加収入あり。大学卒、37歳。 |
800 |
ワルシャワ。小規模の法律事務所で働く法学部学生(女)。23歳。初めての仕事。英語の家庭教師として、月に約80ズウォティの追加収入あり。 |
824 |
ラドム。小規模の不動産管理会社に勤務するアパート管理人(掃除等)(女)。51歳、小卒。勤続年数2年、週40時間労働。 |
824 |
グダンスク・ソポト・グディニャ3都市で宿泊施設を経営する会社に勤務する観光専門員。26歳、海洋大学卒。 |
*900 |
(非課税の裏収入)クラクフ。ベビーシッター。26歳、大学生。子供と一緒に旅行に行ける。週45時間労働。 |
1000 (33000円) |
チェンストホヴァ。宗教関連の出版社で本の挿絵を描いているアーティスト(女)。非常勤(週20時間勤務)。今年、100ズウォティ以上給料がアップした。全国のさまざまな出版社向けに挿絵を描くことと、自分の絵を売ることで、平均約1500ズウォティの追加収入あり。40歳、大学卒、英語が話せる。 |
1050 |
チェンストホヴァ。小さい会社のタイル貼り職人。仕事があるときは一日12時間も働くことがある。最近は週60時間労働。時々ボーナスあり(2000ズウォティまで。金額はボス次第、非課税)。勤続3年。今年、70ズウォティの昇給あり。26歳、高卒。 |
1054 |
ビャウィストック。病院の調理師(女)。勤続30年。46歳、専門高卒。 |
*1070 |
ワルシャワ。大学で博士論文準備中の研究者に給付される奨学金の額。27歳。英語、フランス語が流暢。 |
1100 |
ドルノシュロンスキエ県。木材加工工場の肉体労働者。機械が製造した床用の嵌め木板の不良品をチェックする仕事。24歳。高卒。 |
*1100 |
(非課税の裏収入)(時給9ズウォティ)ワルシャワ。個人宅専門の掃除婦。58歳。 |
1340 |
クヤフスコ・ポモルスキエ県の巡査。勤続1年。高卒、外国語はぜんぜん話せない。週18時間勤務。ボーナスとして、制服代手当てあり。 |
1400 |
ウッジ。大規模な会社の生産ライン労働者。ボーナスとして、無料でプールとジムの利用が可。雑役夫として、300ズウォティの追加収入あり(非公式)。32歳、小卒。 |
1400 |
ジェシュフ。公共の外来専用病院の歯科医。勤続年数は長い。私立病院でも働いており、手取りでさらに2000ズウォティの収入あり。 |
1430 |
ビャウィストック。日焼けサロン従業員(女)。43歳、高卒。週30時間労働。 |
1500 |
ジェシュフ周辺の農村部にある小学校の国語教師(女)。ボーナスとして、上のランクの教諭資格を得るための講座に参加できる。家庭教師で600ズウォティの追加収入あり。43歳。週平均35時間勤務。 |
*1500〜2000 |
チェンストホヴァ。バンドミュージシャン。土日に、結婚式や祭り等で演奏。一晩の収入は、平均1500ズウォティ(バンド全体の収入)。22歳、週15時間労働。去年よりも500ズウォティアップした。 |
1600 |
ワルシャワ近辺のニェポレントの外来専門病院に勤務する内科医。勤続2年。毎月約100ズウォティのボーナスあり。週約30時間勤務(毎日15〜30人の患者を担当)。30歳。英語、ドイツ語、ロシア語が話せる。 |
1890 |
チェンストホヴァ。電力会社の集金人。追加手当:月に約300ズウォティのガソリン代支給、年に約350ズウォティの制服代支給。34歳。高卒。週40時間労働。 |
1900 |
空港で持ち主の分からない荷物を世話する係(女)。勤続1年。追加特典:私立病院が無料で利用できる。英語が話せる。週40時間労働。 |
2000 |
省庁の国際法専門家。28歳。英語が堪能。 |
2039 |
キエルツェ。住宅協同組合の会員問題専門家。年に2回のタオルの支給と、四半期ごとの石鹸3個、洗濯洗剤の支給あり。52歳。高卒。外国語は話せない。 |
2120 |
チェンストホヴァ。市内警備員。残業があるが、その報酬は休暇として精算される。紅茶と清涼飲料は支給される。38歳。大卒。 |
2004年の平均所得=2290zł (75570円) 2004年の農民平均所得月額=2168zł |
|
2500 |
チェンストホヴァ。ごみ処理場のブルドーザーオペレーター。今年、手取りで61ズウォティアップした。大卒。47歳。 |
2500 |
ウッジの小学校校長(女)。ボーナスは、学校食堂の安い昼食。53歳。 |
2500 |
ワルシャワ。病院の準医師。宿直手当、時間外診察手当て込みの給与。週66時間勤務。心づけや礼金などは受け取らない。別の機関の依頼により臨床研究を行い、追加収入を得ている(月30〜37時間、5000ズウォティ)。 |
2600 |
ワルシャワ。小規模会社の自動化エンジニア。建物の設備(エアコン、換気装置等)の設計と始動を担当。26歳、週45時間労働。英語が話せる。 |
2640 |
チェンストホヴァ。市電の運転士。ボーナスとして、市営交通機関を無料で利用できる(本人と家族)。 |
2653 |
(さらに15%のプレミアムがプラスされる)。トラック用ギアボックス生産工場の生産計画専門家。工場への資材供給担当。試験雇用期間中。週40時間労働。28歳。大卒。英語とドイツ語が話せる。MBA勉強中。 |
約2700 |
ワルシャワ。不動産管理人。自営。不動産管理者資格なし。27歳、大卒。英語が話せる。週50時間労働。 |
2800 |
キエルツェ。病院の総合病棟副長。二つの分野においてコンサルタント資格を所有。年に一回、白衣2着が支給される。45歳。週53時間勤務。 |
2800 |
ワルシャワのTPSA(電信電話会社)に勤務する、若いネット管理者。今年100ズウォティの給料アップあり。追加手当として、ノートパソコンの支給と、3ヶ月ごとに600ズウォティのボーナスあり。 |
2870 |
ワルシャワ。複合型職業学校(高等学校部、中等専門学校部、専門学校部)の化学の教師(女)。給料には、各種の手当てが含まれている(合計で約450ズウォティ)。週30〜50時間労働(テスト採点、書類作成等を含む)。 |
2004年の公務員平均所得=2927zł (96591円) |
|
3015 |
ヴロツワフのタクシー運転手の平均収入。41歳。週60時間労働。 |
3088 |
ワルシャワ。建設現場の職長。去年よりも手取りが600ズウォティ少ない。29歳、週65時間労働。 |
3162 |
ザコパネ近辺の観光ホテルの社長。 |
3382 |
職業軍人。少尉補、グディニャの潜水艦班長。夜間部で勉強中。週55時間勤務。 |
3731 |
北部ポーランドの公共ラジオ局DJ(女)。イベントやコンサートの司会(主に夏季)で約3400ズウォティの追加収入あり。 |
4224 |
クラクフ。税関代行業者。勤続3年。毎月約1000ズウォティの賄賂あり。週55時間労働。 |
4328 |
ビドゴシチの大学の正教授。今年、手取りが月180ズウォティアップ。私立大学での講義により1200ズウォティの追加収入あり。58歳、週60時間労働。 |
4478 |
ワルシャワ。インターネットのポータルサイト編集長。30歳、週50時間労働。 |
*4500 |
闇収入。都会の駅で、財布を盗まれてしまい切符を買うのに金が少し足りないので助けてくれと嘘をつく。ワルシャワ、グダニスク、クラクフ、そして冬の間はザコパネで「働く」。 |
4740 |
ポズナニ。私立の外国語学校の英語講師(女)。今年175ズウォティ給料がアップした。ケンブリッジ試験の実施により、年間6000ズウォティの追加収入あり。32歳、週28時間勤務。 |
5147 (169,851円) |
シレジア地方の大手外資系メーカー(自動車用品アクセサリー)のロジスティックス専門家。輸送分野の養成講座に通える。32歳、大卒。英語とドイツ語が話せる。週50時間勤務。 |
5147 |
グダニスク大学の歴史学教授。週10時間の講義担当。追加手当としては、大学所有のリクリエーション施設を好条件で使用できることなど。私立大学での講義により、540ズウォティの追加収入あり。55歳。 |
5890 |
ワルシャワ。地元紙の都市担当記者。25歳、大学の夜間部で勉強中。 |
約6500 |
ジェシュフ。自動車修理工場の所有者。5月1日以降、収入が20%アップした。中古車輸入ブームによるもの。さらに3人を雇う予定。43歳、週50時間労働。 |
約6600 |
シュチェチン。非公共の外来専用病院の内科医(女)。ZUS(社会保険)、ガソリン代、携帯電話代などは自分で負担。月2回外来専用病院で当番を受け持ち、400ズウォティの追加収入。開業しており、一回の診察料は50ズウォティ。 |
7794 |
電化製品の生産メーカーの人事部長。ボーナスは、外国への出張が多いこと。養成講座の受講料、ノートパソコンと携帯電話は会社持ち、社会福祉ファンドから好条件で借金が可能。大学卒、英語とドイツ語が話せる。週50時間労働。 |
10000 |
ワルシャワ空港管制塔の従業員。無料でプールとテニスコート利用可。 |
14000 |
ワルシャワ。大手外資系銀行で金融商品を売買。金融市場での勤務経験は10年。年一回ボーナスあり(最低でも月給ひと月分)。 |
約15000 (495,000円) |
ワルシャワ証券取引所の会長、ヴィエスワフ・ロズウゥツキ氏。去年分のボーナスとして、42600ズウォティ。 |
21600 |
ワルシャワ。国際的食料品コンツェルン(有名なチョコレートバーなども生産している)の品質管理部長。追加手当として、外国語講座の受講、私立病院の利用、社用車の使用、大学院受講料助成金の支給など。 |
22900 |
ワルシャワ。新聞コンツェルン(新聞、本等:従業員約200人)のマーケティング・ディレクター。 |
36765 |
クラクフ。金融・銀行分野の会社の人事部長。英語とスペイン語が流暢。追加手当として、養成講座受講、保険代、医療費、社用車使用、携帯電話支給。今年、手取りが2000ズウォティアップ。週50時間労働。 |
40000 (1,320,000円) |
ポーランド航空会社のパイロット。もっとも大きい飛行機を操縦。勤続20年。給料の構成:出張手当、残業代、飛行距離数(キロメートル)。体調維持のための休暇義務あり(費用は会社持ち)。 |
40000 |
ワルシャワ。大手銀行の取締役会副会長。 |
(出所) Gazeta Wyborcza 2004.
*執筆者の依頼に基づき、アンナ・クネルト (Anna Kunert)が翻訳・編集
6.富裕者の形成
(1)ノーメンクラトゥーラの所有者化
l
ポーランドでは、民営化を促進するため、所有移転問題全権委員室が設置されたが、これはドイツ信託公社のように国営企業の売却を一括管理する組織ではなかった。多くの場合、民営化プロセスは国営企業のイニシアティブで開始された。そのイニシアティブを握ったのはノーメンクラトゥーラで、自らが民営化された企業の所有者となった。
l
彼らが所有者に選出される意思決定過程は極めて不透明で、企業の従業員に十分説明しないまま民営化されるケースが多発した。また、意識的に企業資産を低く評価して安く株式を購入し、その後の株価上昇で儲けるという手法も多く見られた。国営農場においても同様で、不透明なプロセスで農地が売却されるケースが多く見られた。
l
「円卓会議」の合意で、旧体制のノーメンクラトゥーラが新しい社会でも生き残れる道が開かれた。ノーメンクラトゥーラにとっては、赤字経営企業の形式的な経営者から、収益の上がる部分だけをその企業から切り離して設立した会社の実質的所有者・経営者になれるわけで、社会主義の崩壊は、むしろ彼らに明るい展望を開くという皮肉な結果をもたらしたといえる。
(2)ニュー・リッチ層の形成
l
社会主義期からビジネスを行なってきた者
l
グレーゾーンでビジネスを行う者
l
ニュー・ビジネスで成功した者
l
帰国した移民者
l
いわゆる天下り
l
専門家(弁護士、会計士等)
l
経営能力に優れた者
l
政治的コネを活用する者
表16 最も金持ちなポーランド人の年齢
省略
Jasiecki [2002], p.136.
表17 最も金持ちなポーランド人が起業した時代
省略
Jasiecki [2002], p.165.
表17 優良企業上位500社の総収入、従業員の県別分布
省略
Jasiecki [2002],
p.136.
7.性急なEU加盟がもたらした社会・経済的軋轢の増大とセーフティ・ネット構築の可能性
更なる軋轢
l 非正社員の増加(企業の税金対策)
l 労働組合の組織率低下(10%程度)
l 外国人労働力の流入(ウクライナ、ベラルーシ等)
l グローバル化への対応
l EU加盟による競争の激化(190万戸の農家のうち競争力を持てるのは30万戸)
l ユーロ導入への準備
対策
l 四大改革の安定化
l 「法と正義」(PiS)とカチンスキ大統領への期待
□ 県庁所在地 ○ 県議会所在地
別表 ポーランドの登録失業者数 (1990-2005年)
|
登録失業者数 (千人) |
失業率 (%) |
|
1990/I |
266.6 |
1.5 |
|
1990/II |
568.2 |
3.2 |
|
1990/III |
926.4 |
5.2 |
|
1990/IV |
1126.4 |
6.3 |
|
1991/I |
1322.1 |
7.3 |
|
1991/II |
1574.1 |
8.6 |
|
1991/III |
1970.9 |
10.7 |
|
1991/IV |
2155.6 |
11.8 |
|
1992/I |
2216.4 |
12.1 |
|
1992/II |
2296.7 |
12.6 |
|
1992/III |
2498.5 |
13.6 |
|
1992/IV |
2509.3 |
13.6 |
|
1993/I |
2648.7 |
14.4 |
|
1993/II |
2701.8 |
14.8 |
|
1993/III |
2830.0 |
15.4 |
|
1993/IV |
2889.6 |
15.7 |
|
1994/I |
2950.1 |
16.7 |
|
1994/II |
2933.0 |
16.6 |
|
1994/III |
2915.7 |
16.5 |
|
1994/IV |
2838.0 |
16.0 |
|
1995/I |
2753.8 |
15.5 |
|
1995/II |
2694.0 |
15.2 |
|
1995/III |
2657.2 |
15.0 |
|
1995/IV |
2628.8 |
14.9 |
|
1996/I |
2726.0 |
15.4 |
|
1996/II |
2508.3 |
14.3 |
|
1996/III |
2341.0 |
13.5 |
|
1996/IV |
2359.5 |
13.2 |
|
1997/I |
2235.7 |
12.6 |
|
1997/II |
2039.9 |
11.6 |
|
1997/III |
1853.7 |
10.6 |
|
1997/IV |
1826.4 |
10.3 |
|
1998/I |
1845.7 |
10.4 |
|
1998/II |
1687.6 |
9.6 |
|
1998/III |
1676.7 |
9.6 |
|
1998/IV |
1831.4 |
10.4 |
|
1999/I |
2170.4 |
12.0 |
|
1999/II |
2074.0 |
11.6 |
|
1999/III |
2177.8 |
12.1 |
|
1999/IV |
2349.8 |
13.1 |
|
2000/I |
2531.7 |
14.0 |
|
2000/II |
2437.4 |
13.6 |
|
2000/III |
2528.8 |
14.0 |
|
2000/IV |
2702.6 |
15.1 |
|
2001/I |
2898.7 |
16.1 |
|
2001/II |
2849.2 |
15.9 |
|
2001/III |
2920.4 |
16.3 |
|
2001/IV |
3115.1 |
17.5 |
|
|
|
A |
B |
2002/I |
3259.9 |
18.2 |
20.1 |
2002/II |
3090.9 |
17.4 |
19.4 |
2002/III |
3112.6 |
17.6 |
19.5 |
2002/IV |
3217.0 |
18.0 |
20.0 |
2003/I |
3321.0 |
18.6 |
20.6 |
2003/II |
3134.6 |
17.7 |
19.7 |
2003/III |
3073.3 |
17.5 |
19.4 |
2003/IV |
3175.7 |
18.0 |
20.0* |
2004/I |
|
|
20,5 |
2004/II |
|
|
19,4 |
2004/III |
|
|
18,9 |
2004/IV |
|
|
20.0 |
2005/I |
|
|
19.3 |
2005/II |
|
|
18.0 |
*― 推定値。 出所:
GUS [1990-2004b], 他.
別表 BAELに基づく失業者数(千人)
1992.5 |
2254 |
8 |
2437 |
11 |
2394 |
1993.2 |
2467 |
5 |
2371 |
8 |
2274 |
11 |
2595 |
1994.2 |
2719 |
5 |
2391 |
8 |
2409 |
11 |
2375 |
1995.2 |
2491 |
5 |
2156 |
8 |
2227 |
11 |
2233 |
1996.2 |
2349 |
5 |
2103 |
8 |
2018 |
11 |
1961 |
1997.2 |
2176 |
5 |
1927 |
8 |
1853 |
11 |
1737 |
1998.2 |
1896 |
5 |
1753 |
8 |
1786 |
11 |
1827 |
1999.2 |
2141 |
5 |
N/A |
8 |
N/A |
1999/IV |
2641 |
2000/I |
2880 |
2000/II |
2825 |
2000/III |
2675 |
2000/IV |
2760 |
2001/I |
3158 |
2001/II |
3208 |
2001/III |
3127 |
2001/IV |
3186 |
2002/I |
3480 |
2002/II |
3432 |
2002/III |
3436 |
2002/IV |
3375 |
2003/I |
3513 |
2003/Ia |
3453 |
2003/IIa |
3288 |
2003/IIIa |
3300 |
2003/IVa |
3273 |
注: 1999年末より、四半期ごとの集計。
a−2003年第T四半期より2002年国勢調査をベースに算定。
出所: GUS [1990-2004b].
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[1] グレーゾーンの実態を統計的に捕捉するため,中央統計局は1994年より全国的に国境の税関でアンケート調査を実施している。アンケート調査は年二回集計される。アンケートでは,商品(17グループに分類)購入の支出内訳,その他のホテル代金やサービス支出内訳が調査される。また,自動車,バイク等で入国した外国人についてはさらに,ポーランドでの滞在期間,同乗者の人数,住居から国境までの距離,国境からポーランド内目的地までの距離,支出をおこなった場所,を調査する。アンケートは自由意志,無記名で行われる(GUS [1996a], p.3)。